今月の主題 内分泌疾患—今日の知識
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ホルモン作用とカルモデュリン
小出 義信
1
Yoshinobu KOIDE
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.66-67
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217592
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種々の代謝調節因子のなかでもホルモンはとくに重要であり,その作用機序は多くの研究者により追求されてきた.現在,ホルモン作用の細胞レベルでの媒介物質としてのcAMPの地位はほぼ確立され,図1上段に示すように,その要旨は,①ホルモンと細胞膜受容体の特異的結合,②adenylate cyclaseの活性化によるcAMP生成増加,③cAMP依存性蛋白リン酸化酵素(A-kinase,図ではR2C2として表示した)の活性化,④蛋白,酵素のリン酸化(E-P),⑤ホルモン効果発現という一連の反応系から成る.一方,カルシウムイオン(Ca2+)が,ホルモン作用を含む多くの代謝調節系に関与していることは,古くから知られていたが,その作用機序の解明は遅れていた.しかし最近のCa2+結合蛋白,とくにカルモデュリン(CaM)に関する研究の進歩により,かなり明らかになったので,その概要について述べてみたい.
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