臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
骨盤
その他の疾患
pp.2302-2304
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217514
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症例1 悪性リンパ腫(T細胞型)(15歳,男性)
リンパ系病変へのCTの臨床応用は有効とされ,ことに後腹膜,縦隔リンパ節の描出にすぐれ,ホジキン病のstage分類などに使用されている.CTの役割は腫大リンパ節の描出で,ことにリンパ管造影にて造影されないリンパ節(リンパ節の構造が失われ造影剤が取り込まれないもの,あるいは内腸骨,腎門,腸間膜,腹腔,縦隔リンパ節など)の描出に努めるべきである.リンパ管造影で欠損像としてのみ描出される小転移巣などの検索は適応とはならない.
リンパ管造影のリンパ節相(図25-A)で,左鼠径および外腸骨,総腸骨,左傍大動脈リンパ節の腫大,構築破壊像が認められ,外腸骨リンパ節(矢印)は欠損像を呈し,その腫大範囲は明らかでない.リンパ管造影後のCT(図25-B,C)で,左腸腰筋に沿って鼠径部に至る軟部組織濃度の腫瘤が認あられ,内部に散在性にlipiodolの取り込みが見られている.
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