臨床講座=癌化学療法
卵巣癌の化学療法
稲垣 治郎
1,2
,
小川 一誠
2
Jiro Inagaki
1,2
,
Makoto Ogawa
2
1癌研究会附属病院・化学療法科
2癌研究会附属病院・癌化学療法センター臨床部
pp.1959-1962
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217413
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卵巣癌は女性性器腫瘍の中で,わが国においては子宮頸癌に次いで頻度の高い腫瘍である.臓器の解剖学的位置より早期診断が子宮頸癌に比べて困難であり,多くは進行してから検知されるため癌化学療法の対象となる症例が少なくない.そして化学療法の主な対象はInternational Federationof Gynecology and Obstetrics (FIGO) Stage III,IVの症例である.従来は放射線療法非対象患者のみがその適応であったが,近年は術後のadjuvant chemotherapyとしてもしばしば用いられ,癌化学療法の役割は卵巣癌の治療の中で大きな位置を占めるに至っている.今回は再発・進行卵巣癌の化学療法を,とくに最近,上皮性卵巣腫瘍の治療に導入されてきた薬剤を含む併用療法を中心に記述する.
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