今月の主題 白血病—最新の概念と治療
治療
骨髄移植
服部 絢一
1
Ken-ichi Hattori
1
1金沢大学医学部・第3内科
pp.1906-1907
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217404
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骨髄移植は世界ですでに推定2,000例以上実施されているが,その過半数は急性白血病に行われている.その成功率も4年前の14%から最近では50〜60%に高められ,いまや骨髄移植は白血病に対する有力な治療法とみなされている.骨髄移植の歴史をみると,数多くの試行錯誤の末,確かに成功例がでるようになったのは1970年以降である.成功の鍵を握る条件とは,①HLA(組織適合抗原)の一致するドナー(提供者)がいる,②拒絶やgraft-versus-host reaction(GVHR,移植片宿主反応)を予防するため,強力な免疫抑制処置を行う,③その処置で起こる骨髄無形成を十分支持することなどである.ここでは骨髄移植の実際を述べ,その現況を解説したい.
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