今月の主題 造血器
検査と疾患—その動きと考え方・116
骨髄移植
村瀬 忠
1
Tadashi MURASE
1
1国立東京第二病院内科
pp.1531-1539
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913180
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1940年以前より,骨髄移植に対する試みが散発的に行われていたが,1959年に,JammetとMatheによってユーゴスラビアの放射線被爆者に対して行われて以来,骨髄移植は世界中の注目を浴びるようになった.現在では,シアトルのFred Hutchinson癌研究センターをはじめとして世界中で行われており,その成績も初期に比して飛躍的に改善されている.もちろん,この間にTillとMcCullochによる造血幹細胞の解析1)や,ヒト組織適合抗原(HLA)の理解,補助療法の進歩などが大きく貢献したことは言うまでもない.これらに関してはすでに優れた教科書2,3)および総説4,5)があるのでそれを参考にしていただきたい.本文では,骨髄移植に対する基本的な問題点を,症例を混じえて具体的に解説していくこととする.
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