保健行政スコープ
骨髄移植をめぐって
杉原 弘晃
1
1厚生省保健医療局疾病対策課
pp.580-581
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900162
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●はじめに
ここ十年来,主に白血病や重症再生不良性貧血の治療として骨髄移植が行われるようになってきており,年々移植数も増え,昭和63年には年間約250例実施されている.また,その治療成績も徐々に改善しつつある.
しかし,移植された骨髄がうまく機能するためには白血球の型(HLA型)を提供者(ドナー)と患者(レシピエント)との間で一致させる必要があり,これが両者間で一致するのは500〜数万人に1人とされている.一般に同胞(兄弟姉妹)にHLA型が一致するものがいる割合は全患者の4分の1前後であるとされ,それ以外の患者が骨髄移植を希望する際には第三者(非血縁者)からの骨髄提供にたよらざるを得ない.
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