今月の主題 脳循環の基礎と臨床
脳循環障害の臨床
小梗塞
鈴木 一夫
1
,
沓沢 尚之
2
Kazuo SUZUKI
1
,
Takashi KUTSUZAWA
2
1秋田県立脳血管研究センター・内科
2秋田県立脳血管研究センター
pp.1738-1739
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217364
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剖検脳でみると,脳の小梗塞(lacunar infarction)はテント上では大脳基底核や内包,視床に多く認められ,テント下では橋に多く認められる.これらの部位はいずれも脳血管穿通枝動脈により灌流される領域であり,その小梗塞に起因する臨床症状は軽く,予後も概して良好である.また,小梗塞を生じても臨床症状を呈さないことも多い.
Fisherは,小梗塞によりひき起こされる典型的臨床像を病理所見と対比させ,lacunar strokeとして,①pure motor hemiplegia,②pure sensory stroke,③homolateral ataxia and crural paresis,④dysarthria-clumsy hand syndromeの4型にまとめた1).その後,視床,内包部のlacunaeによる1病型がsensorimotor strokeとして報告された(Mohr 1977).
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