今月の主題 脳循環の基礎と臨床
脳循環障害の臨床
病型鑑別
赫 彰郎
1
,
北村 伸
1
Akiro TERASHI
1
,
Shin KITAMURA
1
1日本医科大学・第2内科
pp.1730-1732
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217361
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脳血管障害の病型鑑別は,最近のCTスキャンの進歩により,100%近く確実になってきたといってよい.しかし,急性期においてはCTスキャンの実施が必ずしもどこでもできるとはかぎらず,病歴や神経学的所見,髄液所見などから鑑別しなくてはならないことがまだ多くある.なかでも,脳出血と脳梗塞の鑑別は治療の面からも重要である.わが国では,1962年に文部省脳卒中総合研究班により,1958年のMillikanらによるNIHのAdhoc Committeeの脳血管疾患分類に準じた本症の分類と診断基準が発表された.その後WHOの分類(1970),厚生省の脳卒中による寝たきり防止に関する研究班による脳血管発作の鑑別表(1977)などが発表されている.
ここで,脳出血と脳梗塞,クモ膜下出血の主な鑑別点について,教室においてCTおよび脳血管撮影で診断確定した脳出血99例,脳梗塞104例,クモ膜下出血212例について検討した結果を中心に述べてみたい.
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