今月の主題 心エコー法の現況
基礎知識
Mモード心エコー図法の利点と欠点
羽田 勝征
1
,
坂本 二哉
2
Yoshiyuki HADA
1
,
Tsuguya SAKAMOTO
2
1東京大学医学部・第2内科
2東京大学医学部・内科講座
pp.1322-1325
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217274
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今日,心エコー図法は心疾患の診断および機能評価にとって欠くべからざる検査法として確立されており,心電図検査なみにルチン化しつつあるのが現状である.心エコー図といえば,かつてはMモード心エコー図のことを意味し,もっぱらシングルビームによる記録がすべてであった.しかしこの方法による観察は"ice pick view"であるために,検査対象の求め方が恣意的になり,また心臓すべてをカバーできない弱点を有していた.この数年,高速スキャニングによる断層心エコー図法が一般化し,心臓の構造物がより的確に,より広範囲に検出されるようになっている.
現在行われている心エコー図検査は,まず断層エコーにより,心臓全体と各構造部の動きを観察し,その上でシングルビームの方向を画面上に設定し,Mモード心エコー図を記録する方法である.この方法により,Mモード心エコー図のみの記録から生ずる欠点がカバーされ,また,Mモード法における新しい解釈が可能になった.しかしながら,断層法がMモード法にとってかわるものではなく,Mモード法の捨てがたい魅力は依然として存在する.以下はこのMモード法の利点と欠点を列挙するものである.
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