今月の主題 脳卒中up-to-date
補助診断法
DSAの利点・欠点
福住 明夫
1
,
奥寺 利男
1
,
吉川 公彦
2
1福岡大学病院・放射線診断部
2奈良県立医科大学・放射線科
pp.2530-2533
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221393
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脳血管障害においてX線CTやMRIは非侵襲的かつ簡便に病変を把握できる画像診断法としてfirst choiceの検査法であることは言うまでもないが,的確な診断と治療を行ううえで血管撮影が必要となることも少なくない.しかし,脳血管障害患者の多くは動脈硬化変化が強いため,通常の脳血管撮影においては検査時間が延長したり,造影剤の使用量が増加し,血管撮影による合併症の危険性は,他疾患の患者に比し高い.
DSA(digital subtraction angiography)は,もともとは経静脈性に注入した造影剤を動脈相の像として得るため考案されたコンピューターを利用した画像処理法による新しい血管造影法で,濃度分解能に優れているため,静脈内注入による低濃度の造影剤でも血管画像を構成させることが可能となり,外来でも頭頸部血管撮影を安全に行えるようになった.その後,同画像処理を応用して経静脈性のみならず経動脈性にも,従来の選択的造影を必ずしも必要とせずに,大動脈弓や頸部動脈およびその分枝の血管造影像を得る方法として広く用いられている.
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