今月の主題 心エコー法の現況
基礎知識
原理と装置の選び方
尾本 良三
1
Ryozo OMOTO
1
1埼玉医科大学・第1外科
pp.1318-1320
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217273
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心エコー図の原理1)
心エコー図法はすでに十分に広く普及しており,とくに原理の説明というのは不要ではないかと思われるほどである.しかし,ものの順序としてごく簡単に述べる.ここでは主としてシェーマをもって示したい.
心エコー図が得られるしくみも,音響インピーダンス(音速×密度)に差のある2つの媒質の界面からエコーが発生するという超音波パルス反射法の一般的な原則に基づいている.心臓の場合,血液と心内膜や弁構造との間,心筋と心外膜との間,心膜と周囲組織との間などで,エコーを発生するに十分なだけの音響インピーダンスの差があることが知られている.すなわち,ビームの通過するすべての心臓の構造(音響インピーダンスの差のある界面)からエコーが発生することになる.しかし,隣接する2つのエコーが強いと,追い込み現象のため2つのエコーが融合して分離不能となる.
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