臨床生理検査と技術 Ⅳ 超音波検査
[3]Mモード心エコー図法
増田 喜一
1
1国立循環器病センター生理機能検査部
pp.473-478
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204081
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はじめに
従来,Mモード心エコー図検査においては,検者がMモード専用の装置を用いて心臓内の解剖学的構造を頭の中に描きながら,僧帽弁や心室壁などの心内構築物の記録を行ってきた.それは,ちょうど暗闇の中を手探りで物を探すようなものであり,検者の熟練度によりMモード画像の鮮明度や各心内構築物の検出性が左右され,本法に対する経験が直接,診断に影響を及ぼしてきた.ところが,近年,リアルタイム断層装置の出現により心形態が簡単に観察可能となり,元来,Mモード専用の装置では描出困難であった肺動脈弁ですら容易に検出できるようになった.これは,断層装置より得られた動画像を見ながら各心内構築物のMモード像を容易に描出できるようになったためである(図1).また,断層像ガイドのため,的確なビーム方向での各心内構築物のMモード像が得られるようになり,本法を用いた心内構造物の計測などに一段と信頼性が向上した.
本稿では,断層法ガイドによるMモード心エコー図法について概説する.
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