オスラー博士の生涯・96
オスラー博士の代表的講演—「一つの生き方」その1―Silliman記念講演:A Way of Life
日野原 重明
1
,
仁木 久恵
1
Shigeaki HINOHANA
1
,
Hisae NIKI
1
1聖路加看護大学
pp.1258-1263
発行日 1981年7月10日
Published Date 1981/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217265
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オクスフォード大学の欽定教授ウィリアム・オスラー博士は,63歳の時,アメリカのエール大学からそのSilliman記念講演者として招かれ,1913年4月20日の日曜日の夕,医学生に次の講演を行った.
オスラーの伝記(The Life of Sir William Osler)の著者Harvey Cushingは,オスラーがその原稿に書いていた次のメモ—「私は1カ月にわたって簡単に書きとめた筋書をもとにして,アメリカに渡る汽船の上でこれをまとめた.講演をするその日曜日の朝,やっと完成した」を引用し,さらにそれにつけ加えて,「その日曜日の講演前にはニューヘーブンの学士会館に閉じこもって原稿を完成された.彼の読んだ19枚の原稿のうちの最後の7枚はニューヘーブンの学士会館の用箋に手書きにされ,のちにこれをもとにして印刷された」と述べている.オスラーは,この講演の中では,自分の長年の考え,人生観,処生術をきめ細かく,また情熱をこめて学生に述べた.その内容のルーツは,アリストテレス,プラトンの思想に遡り,またカーライルの実践哲学やオスラーの3人の恩師から学んだ内容からのものである。
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