今月の主題 膠原病—最近の考え方
膠原病とその周辺疾患
Sjögren症候群
美田 誠二
1
,
入交 昭一郎
1
SeiJi MITA
1
,
Shoichiro IRIMAJIRI
1
1川崎市立川崎病院・内科
pp.979-981
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217203
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Sjögren症候群(以下SjS)は,1933年スウェーデンの眼科医Henrik Sjögrenによりはじめて報告された疾患で,涙腺と唾液腺の分泌低下(乾燥症候群sicca complex,sicca syndrome)を特徴とし,Dry eyeを主訴とする乾燥性角結膜炎(Keratoconjunctivitis sicca,KCS)と,Dry mouthを主訴とする口内乾燥(Xerostomia)を起こしてくる慢性炎症性疾患である.従来,SjSは,①乾燥性角結膜炎,②口腔内乾燥を伴う耳下腺腫脹,③慢性関節リウマチ(RA)を特徴とする症候群と記載されていた.しかしRAを合併しない例も多数あり,今日これらは前述したようにSiccacomplex,Sicca syndromeあるいはSicca aloneと称され,SjSの疾患の本質を検索する上で,最も重要な対象とされている.
一方,RAや全身性エリテマトーデス(SLE),進行性全身性硬化症(PSS)などを合併するものは,Sicca complexのみのいわゆる乾燥症候群(実際には,軽度の多関節炎,レイノー現象など1,2の症状を合わせ持つものを含めることがある)とは,病像や免疫遺伝学的に若干異なることを指摘する報告1)もある.
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