臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XI.感染症
麻疹 VS 風疹
岸本 圭司
1
Keishi KISHIMOTO
1
1千葉市立病院・小児科
pp.2086-2087
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216887
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なぜ鑑別が問題となるか
麻疹も風疹も感染防御能が正常な者にとってはself-limitedの疾患であるので,治療や管理の上で鑑別が必要となる点は限られてくる.治療の上で問題となるのは,風疹は細菌性二次感染を起こすことは,きわめて稀であり,対症療法のみでよいのに反し,麻疹はときどき細菌性二次感染を伴うので抗生剤投与の必要が生じることである.また麻疹に暴露された場合には受動免疫により発生が抑えられるので,とくに免疫不全状態にある者にとっては重要である,この場合,感染後5日以内にγグロブリンを投与する.風疹に関しては妊婦の罹患だけを抑えればよいという考えもある.
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