Japanese
English
特集 ワクチン
麻疹・風疹
Measles-rubella
齋藤 義弘
1,2
Yoshihiro Saito
1,2
1東京慈恵会医科大学小児科学講座
2東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター小児科
pp.115-119
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102063
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Ⅰ はじめに
2007年12月28日に厚生労働大臣から「麻しんに関する特定感染症予防指針」1)が告示され,2012年の麻疹排除(WHOは2005年に日本を含む西太平洋地域の麻疹排除の目標を2012年と設定している)に向けた本格的な取り組みが,わが国においても始まった。この指針に基づいて2008年1月より麻疹と風疹はそれまでの五類感染症定点把握疾患から全数把握疾患に変更され,診断したすべての医師は7日以内に保健所に届け出なければならなくなった。また2008年4月より5年間の制限つきで麻疹と風疹の定期予防接種が,第1期(1歳児)と第2期(小学校就学前の1年間に当たる児)に加え,第3期(中学1年生相当年齢),第4期(高校3年生相当年齢)にも拡大され,麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)による接種が行われている。
麻疹の排除とは,国外で感染した者が国内で発症する場合を除き,麻疹の診断例が1年間に人口100万人当たり1例未満であり,かつウイルスの伝播が継続しない状態と定義されている2)。麻疹排除の目標年度である2012年を迎え,わが国の麻疹,風疹の現状と今後の課題について概説する。
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