臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
X.腎疾患
原発性アミロイド腎症 VS アミロイド合併の骨髄腫腎症
小野 駿一郎
1
,
三條 貞三
1
Shun-ichiro ONO
1
,
Teizo SANJO
1
1東京逓信病院・循環器科
pp.2082-2083
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216886
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- 文献概要
なぜ鑑別が問題となるか
アミロイドーシスは線維構造を有する特異な蛋白アミロイドが全身諸臓器の細胞外に沈着する原因不明の疾患で,
1)原発性アミロイドーシス
2)骨髄腫に伴うアミロイドーシス
3)続発性アミロイドーシス
4)限局性アミロイドーシス
5)遺伝性アミロイドーシス
に分類され,また,最近ではその沈着部位により
pattern I 心・筋肉・腸管・皮膚・神経
pattern II 肝・腎・脾・副腎
mixed pattern I+II
とも分けられる1).pattern Iを呈するとされる原発性アミロイドーシスでも,実際には腎障害の頻度は高く35〜90%にアミロイドの腎内沈着がみられる2,3).一方,続発性アミロイドーシスの際は基礎疾患の確認により診断は比較的容易で,アミロイド蛋白はAA*であり,patternIIの沈着様式をとるとされているが,骨髄腫に伴うアミロイドーシスの場合,基礎疾患が骨髄腫とされながらも続発性と別扱いされる理由は,沈着臓器・染色態度が原発性アミロイドーシスと同じで,アミロイド蛋白が両者ともAL*であることによる.
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