臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IX.血液疾患
鉄欠乏性貧血 VS 鉄芽球性貧血
外山 圭助
1
Keisuke TOYAMA
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.2038-2039
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216866
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なぜ鑑別が問題となるか
鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia,IDA)は貧血のうち最高の頻度を有し,鉄剤により容易に治癒する.貧血高度の場合は特徴的な小球性低色素性であるが,中等度の場合は特徴が明らかでないことも多い.一方,鉄芽球性貧血(sideroblasticanemia,SBA)は稀なもので,症候群(付表)であり,この中には小球性色素性貧血の型をとる場合もあり,IDAとの鑑別がまぎらわしい.また,安易に鉄剤を投与することは無効であるばかりでなく,危険であるので両者の鑑別が必要である.
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