臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
III.消化管疾患
虚血性大腸炎 VS 潰瘍性大腸炎
吉川 邦生
1
Kunto YOSHIKAWA
1
1滋賀医科大学・第2内科
pp.1904-1905
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216807
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なぜ鑑別が問題となるか
この両疾患は,ともに血便を主徴とすること,病期によってはX線,内視鏡所見とも類似の所見を呈することから,鑑別診断上常に問題となる.
潰瘍性大腸炎は粘血便を主徴とし,寛解と再燃をくり返す慢性の非特異性炎症疾患で,主として粘膜および粘膜下層を侵す.本症は病変の広がりから全大腸炎,左側大腸炎,直腸炎,右側または区域性大腸炎に,経過からは再燃寛解型,慢性持続型,急性電撃型,初回発作型に分けられる.本症の診断はX線,内視鏡,生検などかなり特徴的であるが,きめ手となる特異所見がなく,総合的に診断される.
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