今月の主題 膵と胆道疾患
治療における諸問題
胆汁酸による胆石溶解療法
桐生 恭好
1
,
船津 和夫
2
Yasuyoshi KIRYU
1
,
Kazuo FUNAZU
2
1日本鋼管病院
2東京歯科大学市川病院・内科
pp.1382-1384
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216676
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古くから民間療法で,胆石を溶かすと称されている薬が一部で売られていたが,その効果については不明な点が多い,剖検でのわが国の胆石の保有率は8%前後といわれ,胆石症の患者の多いこともあって,外科的手術でなく胆石を溶解させる薬の出現が望まれていた.
Danzingerら1)が1972年に一次胆汁酸であるchenodeoxycholic acid(以下CDCA)を投与して,コレステロール系胆嚢胆石が溶解した症例を報告して以来,多くの研究者によりその有効性が確認された2,3)。またCDCAの7β-OH異性体であるursodeoxycholic acid(以下UDCA)にも同様にコレステロール結石溶解作用があることが相ついで報告された4,5).
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