今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向
治療
肺結核の短期強力療法
今野 淳
1
,
萱場 圭一
1
Kiyoshi KONNO
1
,
Keiichi KAYABA
1
1東北大学抗酸菌病研究所・内科
pp.384-385
発行日 1980年3月10日
Published Date 1980/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216448
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はじめに
結核の治療には初回化学療法が最も重要であり,初回化療は有効かつ強力に行うことが再発を防ぐ上からも大切である.従来の標準的な初回化療の治療方針としては,速やかに入院の上,SM,PAS,INH三者併用療法を最低1年以上行い,その後次第に軽快し活動性病変が認められなくなれば,PAS,INH併用,さらにはINH単独と漸減する,ただし重症な場合は最初の1〜3ヵ月SMを毎日使用することになっている.しかし,それでも排菌の止まらない治療失敗例がたまたまみられた.しかるにその後EBが出現し,またさらに強力なRFPが使用されるに及んで,SM,PAS,INHの代りに,SM,INH,RFPまたはEB,INH,RFPの強化三者併用療法を初回から用いれば重症例でも早期に100%の菌陰転をみ,X線基本病変,空洞改善率にもすぐれ,また入院および治療期間も短縮でき,再発率も少なく,初回化療の失敗を防ぐことができることがわかった.
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