今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向
真菌と寄生虫
肺吸虫症
辻 守康
1
Moriyasu TSUJI
1
1広島大学医学部・寄生虫学
pp.350-351
発行日 1980年3月10日
Published Date 1980/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216436
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はじめに
わが国の肺吸虫症はほとんどがウェステルマン肺吸虫の寄生によるが,1974年に林,横川らが宮崎肺吸虫の人体寄生例を見出して以来,この宮崎肺吸虫症患者も現在までに約70例が報告されている.外国ではウエステルマン肺吸虫のほかケリコット肺吸虫,スクリアビン肺吸虫,タイ肺吸虫,アフリカ肺吸虫,メキシコ肺吸虫,ペルー肺吸虫などの人体寄生例が報告されている.これらのうち現在なおわが国でしばしばみられるウエステルマン肺吸虫症の概略について記すとともに,宮崎肺吸虫症の症例についてもふれてみたい.
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