疾患と検査値の推移
マイコプラズマ肺炎
稲見 由紀子
1
,
石和田 稔彦
1
1千葉大学大学院医学研究院小児病態学
pp.531-535
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100921
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疫学
Mycoplasma pneumoniae(以下,Mp)は年齢を問わず呼吸器感染症の主要な起因病原体である.マイコプラズマ肺炎は,成人の市中肺炎の5~9%を占め,肺炎球菌,インフルエンザ菌に次いでMpは市中肺炎の主要な病原体として知られる1).小児市中肺炎では10~20%がマイコプラズマ肺炎で,特に6歳以上では6割を超すことが中村によって報告されている2).
感染源はヒトのみであると考えられている.飛沫感染で伝播し,潜伏期間は1~3週間である3).かつて4年ごとに流行が記録されていた疾患だが,現在ではこの傾向は崩れ,小流行を繰り返している.また季節を問わず流行がみられる.学童から若年者に好発するといわれてきた疾患だが,乳幼児4,5),高齢者にも感染を起こすことが明らかとなっている.
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