臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
118.CAP(1-シスチンアミノペプチダーゼ)
岩崎 寛和
1
1筑波大臨床医学系産婦人科
pp.1900-1901
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216222
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
CAPは元来は胎盤から産生されるoxytocinaseとして注目されてきたが,Tuppyら(1961)によって一種のアミノペプチダーゼであることが明らかにされた.その後,BabunaとYenen(1966)および筆者ら(1967)によって,本酵素活性が胎盤機能の指標となることが明らかにされてから,世界的にも同様な見解が普及しつつある.しかしながら,本酵素の生理的意義,産生ならびに血中逸出の機序など不明の点が多いので,検査法としての意義には問題も少なくない.
また,本酵素はLAPときわめて近縁関係にあり,胎盤から産生されるLAPは同時にCAP活性を有することが明らかにされている.そこで,S-benzyl-p-nitroanilideを基質として測定した場合に,男子および非妊婦にもわずかながら活性が認められ,また,肝障害の一部では活性の微小な上昇も認められている(及川ら,1978).
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.