臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
114.GOT,GPT
平山 千里
1
1鳥取大第2内科
pp.1892-1893
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216218
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異常値を示す疾患
トランスアミナーゼ(一般名:Aminotransferase)は生体内のほとんどすべての細胞に存在しているが,量的には肝,心筋,骨格筋,脂肪組織,脳,腎などに多い.GOT(一般名:Aspartate Aminotransferase,AsAT)は心筋や肝に高濃度に存在し,次いで骨格筋,腎,膵などに認められ,GPT(一般名:Alanine Aminotransferase,AIAT)は肝に最も多く,次いで腎,心筋,骨格筋,膵,脾などに存在する.
GOT,GPTは,細胞内で糸粒体(m)と上清(s)に分布しており,2つの異性酵素は,陰イオン交換樹脂に対する親和性が異なる点から容易に分離定量することができる.一般に組織中のGOT,GPT濃度は,血清濃度の103〜4程度であるので,細胞の代謝回転により血清中に遊離するが,細胞膜の障害で血清濃度は急速に上昇する.
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