臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
101.Mg
吉田 政彦
1
,
大野 丞二
1
1順大内科
pp.1866-1867
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216205
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生体内Mg 成人の総Mg含有量は21〜28g,平均24g(2,000mEq)である.この約55%は骨組織内にあり,骨湿性重量の約0.2%,灰化状態では0.5〜0.7%に相当する.骨Mgの約30%はexchangeable typeで生体内Mg Poolの恒常性維持に関与している.総Mgの約45%は軟部組織内に分布し,300〜450mg/kg,wet weightの含有量である.約半分量は筋肉組織内にあり,残りは心筋,肝臓,腎臓,その他の臓器に存在する.各組織の単位重量当たりのMg量には大きな差はみられない.
一方,細胞外液中にはNa,K,Caに次いで多く含まれているが,総Mg量の1%以下の微量でしかない.組織間液Mgは約170mg(14mEq),約1.7mg/dl(1.4mEq/l)である,血漿中には約60mg(5mEq)とわずかで,正常腎機能例での測定では1.62±0.15mEq/lで狭い範囲内に調節されている.男性が女性より高値を示すが,加齢による変動は認められない.
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