今月の主題 腸疾患の臨床
腸疾患の臨床
大腸
吉田 豊
1
,
棟方 昭博
1
,
佐々木 博海
1
1弘前大第1内科
pp.1144-1147
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215989
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はじめに
最近,大腸疾患が増加しつつあるという臨床的背景のもとに大腸疾患に対する研究が急速に増えた観がある.しかしながら,多くの大腸疾患はいまだ病因が明確でなく,いわゆる特発性腸疾患として各分野から研究されている.かくして,今日疾患概念として整理されたものが多い.一方,X線,内視鏡を中心に大腸疾患の診断精度は上部消化管のそれに肉薄しつつあり,古典的疾患概念にはなかったアフタ性大腸炎や早期癌のような小病変が容易に診断可能となった.その診断への有力な武器であるX線検査,内視鏡検査をより一層有効にするためには,病歴,理学所見の的確な把握が大切である.そこで本稿では,各種大腸疾患の診療にあたって日常留意すべき問診,理学所見,直腸指診,糞便検査などの診断のポイントについて概説的に述べる.
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