今月の主題 臨床家のための輸血学
免疫からみた輸血
HLA抗原抗体と輸血副作用
十字 猛夫
1
1東大輸血部
pp.356-357
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215798
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はじめに
白血球は同種抗原系の研究が始まってすでに4分の1世紀が経過している.その中でHLA抗原系の解明が急速に進められ,ヒトのmajor histocompatibility complex(MHC)に関してきわめて詳細な情報が得られている.しかしながら,このヒトのMHCが輸血においてどのような意義をもっているのかに関する情報は少ない.その理由の一つは抗白血球抗体がすべて抗HLA抗体と考えられているからである.しかしながら,HLA抗原系は赤血球以外の血球成分における同種抗原のうちの氷山の一角にすぎず,そのほかに未同定の抗原系が多数存在することが想定されている,このような未知の抗原の存在を考慮に入れて,輸血副作用とHLA抗原の関連を考えてゆかなければならない.
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