職業病の知識
呼吸器障害—じん肺
千代谷 慶三
1
1珪肺労災病院
pp.288-290
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215776
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はじめに
空気中に浮遊する不溶性もしくは難溶性粉じんが,吸入されて肺に沈着しかつ長く滞留すれば,当然そこに異物反応が起きる.吸入された粉じんがある程度量が多く,しかも化学的にあるいは物理的に生体により刺激的であれば,それだけ反応量も増大して,臨床的に疾病として認識できるようになる.
人間が社会生活を送る限り粉じん吸入をまったく避けて通ることはあり得ないが,臨床的に疾病として認識できる程度に至るのは,ほとんどまったく作業環境中の粉じんを職業性に吸入した場合に限られている.
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