図解病態のしくみ 血液疾患・5
白赤芽球症
高橋 隆一
1
1済生会中央病院内科
pp.286-287
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215775
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白赤芽球症leukoerythroblastosisとは,末梢血中に白血球および赤血球の幼若型の出現する状態をいう.赤血球の大小不同,奇型などを伴うことが多い.貧血を伴うことが多く,この場合に白赤芽球性貧血leukoerythroblastic anemiaとよばれている.
骨髄の構造をみると骨内膜につながる細網細胞が連結して網状構造をつくり,これに血管系がからまっている,血管系は細動脈から毛細血管,さらに静脈洞から静脈へとつながっている.これらの支持組織の間に造血細胞が充満して細胞髄を形成している.細胞髄で生成された血球は隣接する静脈洞に入り,末梢血中に遊出する.静脈洞壁は,内皮細胞,基底膜および細網細胞層から成るが,部位により間隙がある.血球がこの静脈洞壁の間隙を通過する機序は未だ明らかではない.顆粒球は成熟すると遊走性を示し,変形にも耐えられるようになるので,静脈洞壁の間隙を通過して洞内に遊出する.
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