今月の主題 パーキンソン病とその周辺
パーキンソン病とは
祖父江 逸郎
1
1名大第1内科
pp.174-175
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215746
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160年の研究のあゆみ
James Parkinsonが今日のパーキンソン病として知られている疾患について,Shaking Palsyの名で報告したのは1817年であるので,すでに160年の年月が過ぎている.当時彼が報告したのは6例で,かなり細かく観察した症候についての所見が記載されている,ことに振戦の状態,前屈姿勢,小走り歩行,言語の特徴など,今日パーキンソン病で指摘されている臨床特徴の核心的なことが要領よくまとめられている.その後パーキンソン病に関する関心は多くの研究者により持ちつづけられ,現代においても,神経疾患のうちでも関心度の最も高い疾患の一つとして,最近における新しい視点からの研究が進められている.
最近,パーキンソン病とその関連疾患についての文献が,1800年から1970年までのものをまとめてNational Institute of Neurological Diseases and Strokeから出版されたが,Subject Indexだけでも約1,000頁に及ぶもので,パーキンソン病およびその類縁疾患についての各種の立場からの研究がいかに活発であるかを物語るものであろう.パーキンソン病とその類縁疾患をめぐるシンポジウムや雑誌特集がかなり頻回に行われており,この方面における研究の進歩は実にすばらしいものがある.
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