臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XII.感染症
2.宿主の特殊条件下の化学療法
周産期感染症の治療法—小児科領域から
西村 忠史
1
1阪医大小児科
pp.2324-2326
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208352
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はじめに
小児科の立場より周産期感染症をみた場合,そこには養護,医療システムの向上はもとより,臨床,診断,治療に対する積極的な対応が大きな力となって現れている.しかしながら新生児未熟児のもつ特殊性は,感染抵抗性の面でも周産期の諸因子と組みあって重要性をおびている.化学療法の進歩がこの特殊性をいかに克服できるか,感染症でも敗血症,髄膜炎など重症疾患においてそれが問われるであろう.治療開始の時期は早期診断の重要性とあいまって予後に密接な関係をもつ.とくに化学療法の迅速な適応は大切で,起炎菌の現況薬剤感受性の動向に対する知識をもとに安全かつ有効な薬剤の選択,用量,用法が実地に移せるよう一定の方針を作っておくことである.もちろんそこには一般療法の適切な実施が必要で,これがとくにこの時期での治療のむずかしさを示している.
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