臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
XII.感染症
2.宿主の特殊条件下の化学療法
周産期感染症の治療法—産科領域から
高瀬 善次郎
1
1川崎医大産婦人科
pp.2328-2329
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208353
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はじめに
周産期の感染症に対して治療を行う場合,最も留意しなければならないのは,投与した薬剤の母体,胎児および新生児に対する影響である.
現在,日常使用されている抗生剤は,程度の差はあるが,すべて胎盤の通過性は良く,母体血清中濃度の約12〜40%が胎児に移行するものであり,抗生剤の種類によっては,胎児への影響も考慮しなければならない.また,胎児のみならず,母体に直接影響を与えるものもあり,さらにまた,妊娠中毒症などの場合で,とくに重症型で腎機能が低下しているものもあり,このような症例では,血中濃度の半減期の延長などが起こり,血中に蓄積することにより,副作用の発現なども起こりやすくなるので,投与量,投与間隔などにも考慮する必要がある.
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