臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VIII.神経・筋疾患
5.神経病治療の問題点
多発性筋炎
恒松 徳五郎
1
1京大第2内科
pp.2132-2133
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208281
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はじめに
多発性筋炎(polymyositis)は筋力低下を主症状とする一次性筋疾患で,筋線維の変性壊死,単核炎症細胞の浸潤を主病変とする.同時に皮膚病変を伴うものを皮膚筋炎(dermatomyositis)と呼ぶ.臨床的に他の血管結合織疾患(膠原病)と密接な関連を持つ.病因は不明であるが,自己免疫,ことに細胞性免疫異常によるとする考えが有力である.電子顕微鏡で筋生検組織中にウイルス様構造物が見出されているが,ウイルス説を支持するに足る根拠は乏しい.本症には悪性腫瘍を合併する頻度が大きいことも特徴である.
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