臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
V.肝・胆道・膵疾患
1.急性肝炎の治療
劇症肝炎の治療のポイント
佐々木 博
1
1新潟大第3内科
pp.1960-1962
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
劇症肝炎とは発病後8週間以内に肝性昏睡をきたす重症型の急性肝炎で,病型としては電撃性肝炎および一部の亜急性肝炎がこの範疇に入り,病因としてはウイルス性,薬剤性のものがある1).
本症の治療方法としては補液,ステロイドホルモンを主とした保存的療法が長らく行われてきたが,Trey2,3)らが多数例の劇症肝炎について交換輸血療法を行い,一定の成果を報告して以来,本邦でも試みられるようになり,さらに最近では活性炭4),polyacrylonitrile膜(PAN膜)5,6)を用いる人工肝補助装置による治療方法も試みられている.しかし,これらの方法による治療方法も劇症肝炎に対する画期的な治療方法とみなされるには到っていないのが現状である.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.