今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全の病態生理
慢性呼吸不全
谷本 普一
1
1虎の門病院呼吸器科
pp.1508-1509
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207428
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はじめに
慢性呼吸不全とは,動脈血ガスが長期間異常な値を示し,そのため生体が正常な機能を営むことができない状態をいう.「慢性」についての時間的規定はまだ統一されたものではないが,およそ1カ月以上のものを指すのが適当であろう.血液ガス異常の基準について従来より種々の見解がある.急性呼吸不全では,CampbellのPaO2 60mmHg以下,PaCO2 49mmHg以上,FineyのPaO2 50mmHg以下,PaCO2 50mmHg以上などが一般に用いられているが,慢性呼吸不全は通常PaO2 75mmHg以下,PaCO2 48mmHg以上または35mmHg以下など正常限界をこえるものと規定される.また,安静時では正常の血液ガスを示しても,運動負荷により異常値を示すものも,慢性呼吸不全に含められる.
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