今月の主題 人工透析か腎移植か
腎移植後の対策
免疫抑制療法
田口 喜雄
1
1東北大第2外科
pp.1442-1443
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208058
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はじめに
臨床の移植において,全く同じ組織適合性抗原の所持者の組み合わせをみつけることは容易でない,何らかの処置を講じない限り免疫反応は起こり,移植片は拒絶される.筆者が腎移植長期生着例を得たのは1969年であるから,一昔前になる.そのときの抗免疫剤の使用の実際を図に示す,以後,試行錯誤をくり返しているが,本質的に変わっていない.1961年,azathioprine(イムラン)の免疫抑制効果が認められ,1964年,拒否反応の症状改善にステロイドが有効であると報告され,臓器移植はroutine surgeryとなった.ついで1967年,抗リンパ球グロブリン(ALG)が登場し,移植における免疫抑制法の3大柱となった.本稿では,筆者の経験をもととして,これらの免疫抑制療法について概説する.
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