今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
治療
免疫抑制療法
漆崎 一朗
1
1札幌医大癌研内科
pp.1264-1265
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206743
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生体の免疫がどのような調節制御をうけているか,また,この免疫応答を自由に調節しようとすることは,免疫学における極めて興味ある問題である.ここにとりあげる免疫抑制療法とは,自己免疫疾患や移植後の拒否反応などの場合にみられるような,異常となった免疫反応を抑制し,治療に結びつけようとする方法論である.すでにSchwartz and Dameshek1)により,はじめて自己免疫性溶血性貧血の治療に6-MPが用いられてから10年余を経,多くの経験・報告が重ねられてきている2〜5).しかし現状をいうならば,免疫抑制剤の副作用としてもたらされる正常免疫能の抑制から理想的免疫抑制療法が確立されているとはいい難い.
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