今月の主題 肝疾患のトピックス
検査法の進歩
アイソザイムの診断的意義
堺 隆弘
1
1東大第1内科
pp.1272-1273
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208017
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はじめに
血清酵素活性の上昇はそれぞれの酵素について診断的な意義をもっているが,病態の質的な差あるいは臓器由来を明らかにするためには,血清酵素のアイソザイムの分析が必要不可欠である.LDH,アルカリフォスファターゼ(Al-P),γ-GTP,コリンエステラーゼ,GOT,あるいはアミラーゼなど,数多くの酵素のアイソザイムの分析法が開発され,臨床応用がなされている.アイソザイムの分析には,電気泳動,カラムクロマト,免疫学的方法あるいは抑制因子,物理,化学的な処理による活性の変化をみる方法があり,中でも電気泳動による分析がルーチンに行われている.血清酵素の中でもLDH,Al-Pアイソザイムは広く行われており,γ-GTP,GOTなどのアイソザイムの臨床応用もすすんでいる.
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