教養講座・比較生物学 生命と環境との調和
解毒機構
加藤 隆一
1
1慶大薬理学
pp.1182-1188
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207997
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はじめに
生物は進化の長い過程において絶えず種々の体外異物を食物と共に,あるいは環境汚染物質を水や空気と共に体内へ取り入れてきたものと考えられる.
一般に生体内に入った水溶性の体外異物(Xenobiotics)は容易に腎から排泄されるが,一方,脂溶性の体外異物はそのままの形では腎の尿細管で再吸収されるので,体外へはほとんど排泄されない.それゆえ,生物が生存していくうえにはこれら体外異物を水に溶けやすい構造へ変換して,体外に排泄することが必要である.
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