今月の主題 急性期脳卒中の臨床
診療の実際
膵臓癌
木南 義男
1
,
宮崎 逸夫
1
1金沢大第2外科
pp.234-236
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207750
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はじめに
膵癌は,厚生省の死亡統計によれば本邦において増加傾向にあるとされ,Brooksら1)もアメリカにおける本症の発生頻度は増加しつつあると述べている.しかるに,膵癌は腹部臓器癌のうちでも診断および治療面ともに取り扱いにくい癌であるのみならず,経過が早く予後不良といわざるを得ない.Baylorら2)は,膵の悪性腫瘍5,075例を集計し,92%が1年以内に死亡していると述べている.ところで,近年この分野における診断法の進歩とともに外科治療の研究も進められ,実際治療成績の向上がみられつつある.そこで,過去15年間に筆者らの教室において治験された膵癌症例から得られた若干の知見とともに,文献上にみられる外科領域の膵癌について述べたいと思う.
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