臨時増刊特集 診断基準とその使い方
VII.膠原病・免疫・アレルギー疾患
Overlap症候群
安倍 達
1
1慶大内科
pp.2042-2045
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207592
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Overlap症候群とは
結合織疾患として取り扱われる各疾患は,臨床的,血清免疫学的ならびに病理形態学的にお互いに共通する所見を示すことがある.しかし,それら個々の疾患には診断特異性の高い臨床症状は非常に少なく,個々の疾病の診断は臨床症状,血清免疫学的所見,病理形態学的所見の組み合わせで下される.したがって,臨床的には2つ以上の疾患が重複していると思われる症例や,ある時期にお互いに移行したと思われるものがある.
Overlap症候群は,同一患者が同じ時期に2つ以上の診断基準を同時に満足する症例を意味する.教室でこれまで経験したOverlap症候群は30例に及ぶが,その内訳をみると,SLE-PSS,SLE-PSS-PM,RA-PSS,RA-SLE,RA-SLE-PSS,PSS-PM,SLE-PM,RA-PSS-PMというように多くの組み合わせがみられる.しかし,その中で特に多かったものはSLE,PSSおよびPMの間でのOverlapであった.
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