臨時増刊特集 診断基準とその使い方
V.内分泌・代謝疾患
糖尿病
平田 幸正
1
1東女医大糖尿病センター
pp.1920-1923
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207553
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概念
糖尿病の概念は幅の広いものである.広義には一次性糖尿病以外に,インスリン作用の不足を惹起すると考えられる明らかに臨床的な原因を認める二次性糖尿病を含む.これに対し,先天的な素質に原因が求められる一次性糖尿病がある.これも広義にはprediabetesという発症前の時期を含むのであるが,狭義にはインスリンの慢性的な不足による代謝異常を認めた場合をいう.一般的には,最も狭い意味の糖尿病をもって糖尿病ということが多い.すなわち,先天的素質を原因としてインスリン不足を生じ,それによって代謝異常を呈するに至った場合を糖尿病という.このように,その基本は代謝異常であり,主要臓器には特有の病変を見出すことなく発症する.ただし若年型糖尿病のあるものでは,発症に際し,膵島炎を認めるものがある.なお,最近,若年発症若年型糖尿病に限って特有なHLA抗原を認める頻度が高いといわれ,わが国ではBW22が注目されるに至っている.
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