臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
X.内分泌疾患
問題となるケースの治療
203.バセドウ・クリーゼ
飯野 史郎
1
Shiro Iino
1
1昭和大学医学部・内科(藤が丘病院)
pp.2548-2551
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218744
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症例
40歳,男子,会社員.主訴は高熱と意識障害.約1年前にバセドウ病と診断され,抗甲状腺剤治療を受けたが,症状軽快したとして約3カ月で中止.最近,るいそう,心悸亢進,手指振戦高度となり,約1週間前から下痢が持続,3日ほど前から発熱39℃に及び,昨夜より意識混濁して来院となった.
身長160cm,体重42kg,脈拍150/分,不整,血圧110/52mmHg,譫妄状態,発汗高度,体温40℃,眼球突出(+),甲状腺腫,大,びまん性,弾性軟,心軽度拡大,腹部;肝1横指触知,下肢浮腫軽度,反射亢進,病的反射(-),検査上,心電図で洞性頻脈,心室性期外収縮(+),RBC 420×104,WBC 12,000,Hb 13.5g/dl,Ht 44%,総コレステロール 90mg/dl,Al-P 22.1K-Au,遊離T4 17ng/dl,T4 25.5μg/dl,T3 760ng/dl,T3 uptake 60%(35〜45%),TBG 12μg/dl,TSH<1μU/ml.
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