今月の主題 浮腫と臨床
内分泌・代謝性浮腫
内分泌性浮腫—粘液水腫を中心に
水越 洋
1
1東大第1内科
pp.1256-1257
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207356
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はじめに
粘液水腫は本来,甲状腺機能低下が進展した結果みられる特有の皮膚変化を意味するものであるが,通常,甲状腺機能低下症と同義的に用いられていることが多い.
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの不足による病態として定義することができる,甲状腺ホルモンにはthyroxine(T4)とtriiodothyronine(T3)とがあり,T3の少なくとも50%は末梢組織において,T4の変換によって生ずると考えられている.甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌されて血流により運ばれ,末梢組織で作用するのであるが,その分泌は視床下部-下垂体系(TRH-TSH)の調節を受けている.したがって,甲状腺機能低下症はこれらいずれの部位での障害によっても生じ,①視床下部性,②下垂体性,③甲状腺性,④末梢性とに分類することができる.
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