今月の主題 癌治療の最前線
問題となる癌の治療の実際
肺癌
川瀬 一郎
1
,
仁井谷 久暢
2
1国立がんセンター内科
2国立がんセンター臨床検査部
pp.1136-1138
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207318
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はじめに
早期発見・早期手術こそ肺癌に対する最良の方策であることは論をまたない.しかし現状では,発見時すでに癌が周囲組織へ浸潤あるいは遠隔転移をきたしていることが多く,根治手術可能な症例は全肺癌例の20%以下にすぎない1).
肺癌に対するさまざまな臨床治験が集積され,病理学的な理解が深められていくなかで,肺癌の示す多彩な組織像および進展様相が治療法の選択,効果および予後と密接に関連していることが明らかにされてきた,すなわち,肺癌の病期・病態に応じて現在用い得る治療法を選択あるいは適切に組み合わせることにより,肺癌の治療計画はより有効なものとなり得ることが示されている.
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