演習・X線診断学 血管造影写真読影のコツ・7
膵血管造影のみかた—とくに膵癌と慢性膵炎の鑑別を中心に
平松 京一
1
,
成松 芳明
1
,
久 直史
1
1慶大放射線診断部
pp.1014-1019
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207284
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膵疾患における血管像を選択的腹腔動脈造影によって観察したのはÖdman(1958)が最初であります.それから20年近くたち膵の血管造影は著しく進歩し,膵疾患のルーチン検査として広く普及してきました.ただ膵の血管解剖が複雑で変異が多いことや周囲の血管がどうしても重なり合うことなどから,膵血管造影の読影にあたっては膵血管の解剖とその変異をまず頭に入れておくことが必要で,その上で各疾患の血管像を知るべきでしょう.したがって,膵血管造影では,そのテクニカルな問題もさることながら,読影についても相当なトレーニングを要することは事実であります.そこで今回は,膵血管造影の読影に必要なこれらの基礎知識と,その代表的な疾患,とくに膵癌と慢性膵炎の血管像を中心に述べることにします.
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