今月の主題 めまいの基礎と臨床
各種疾患と各科の「めまい」
心因的な「めまい」
大野 喜暉
1
1九大心療内科
pp.722-723
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207197
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はじめに
日常の診療において,「めまい」をきたす原因としてはいろいろな疾患があるが,「めまい」には大別すると,真性めまいと仮性めまいとがある.
真性めまいとは運動覚または位置覚の異常を訴えるもので,その性状は回転感,昇降感,傾斜感である.仮性めまいとは立ちくらみ,眼前暗黒感,脱力感,軽い意識障害を主とするものである.実際には,ふらふらする,目がちらちらする,眼前が真暗になる,四肢の力が抜ける,宙に浮いたようになるなどと表現される.心因的な「めまい」では,真性めまいが訴えられることは稀であり,仮性めまいのことが多い.
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