今月の主題 ミオパチー最近の進歩
先天性代謝異常
脂質代謝異常
橋本 清
1
1日医大小児科
pp.2131-2133
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206979
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はじめに
脂質は,糖質とともに骨格筋の主要なエネルギー源である.安静時および持続的な運動時の骨格筋では,長鎖脂肪酸の酸化がエネルギー代謝の大部分を占める.このように,脂質は骨格筋にとって重要であるが,脂質の代謝異常によると考えられる筋疾患が発表されはじめたのは最近になってからである1).しかも,脂質が筋線維に蓄積し,脂質代謝異常が想定されていても,ほとんどの場合その機序が明らかにされていない.
本稿では,最近その機序が比較的よく解明されて注目されているcarnitine欠損症,およびcarnitine acyltransferase欠損症を中心に,脂質代謝異常による筋疾患を述べるが,理解を助けるために,骨格筋における長鎖脂肪酸の酸化とカルニチンについてふれておきたい.
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