診療手技のコツ
直腸指診
西崎 統
1
1聖路加国際病院内科
pp.2063
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206958
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大便異常,便通不整,下腹部痛および下血などを訴える,すべての患者に対して必ず行うべき診察である.この簡単に行える直腸指診は,直腸のみならず,ダグラス窩,前立腺,女子性器などの数多くの疾患を知り得ることができる.また,この診察は直腸鏡を行う前には,内部の状況や走行などをみておく上で欠かすことのできない診察である.ここで,もう一度,肛門,直腸部の解剖をよく理解しておく必要がある.
肛門・直腸の軸はまず前方に,ついで急に後方に曲がり,仙骨前面にそって彎曲しつつ上がる.括約筋による肛門管3cmくらい入ると膨大部になり,前面に前立腺または子宮膣部を触れる.ときには後屈子宮では膣部を触れずに,もっと深部で子宮底を触れる.
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